INTERVIEWS

​大湯 俊介

CEO

コネヒト創業前のキャリア

大学卒業後、外資系コンサルティングファームに内定をいただき、そのまま入社する予定でしたが、学生生活の最後に米カリフォルニア大学に留学し、そこで投資ファンドのインターンを経験したことが人生の転機になりました。
帰国後、大学で機械学習を用いて広告効果を最大化する研究を行っていた島田(現CTO)と出会い、意気投合。2人で議論を繰り返す内に、クリエイターが自分の創作物をネットで販売できるサービスのアイディアが盛り上がって現実味を帯びてきたため、そのテーマで起業することを決意しました。コンサルティングファームの内定を辞退し、私がCEO、島田がCTOとなり、2012年1月にコネヒト株式会社を設立しました。

ママリをリリースするまでの経緯

創業当時のアイディアはクリエイターのためのオンラインギャラリーサービス「Creatty(クリエッティ) 」というサービスとして具体化され、正式リリース前に戦略的にしかけた表参道でのリアルイベント「Creatty Salon」も大好評。2012年7月には参加していた第2期「KDDI∞Labo」の最優秀チームにも選ばれ、順調なスタートを切りました。
しかし実際にリリースしてみると熱狂的なファンはついたもののクリティカルマスを超えるまでには行かず、Etsy のような海外勢と張り合っていくには難しいと判断。一時は会社をたたむことも考えましたが、もう一度チャレンジしてみたいと新事業に取り組む方針を決めました。

創業時に、私と島田が考えていたのが「デザイン能力のアーカイブ化」と「健康や体の悩みの情報のアーカイブ化」。前者のテーマを具現化したものが Creatty でしたが、今度は後者に取り組むことにしました。その背景には、私が大学在学中の23歳で結婚、起業直後には第一子が生まれており、仕事と子育ての両立に苦労した経験がありました。

育児や妊娠、出産といった情報は主に病院や医療機関が発信していましたが、情報はバラバラでインターフェースも悪く、若い母親たちにとっては非常に使いづらいものでした。そこで UI にこだわってスマートフォンにも対応したネットメディアを提供しようと、妊娠・出産・子育ての疑問を解決するママ応援サイト「ママリ(mamari) 」を2014年3月にサービス開始。1週間に100本程度のペースで記事を作成、育児や妊娠・出産に悩む20代・30代の女性に向けて発信を始めました。
また同年5月には Q&Aサービスの「ママリQ(mamariQ) 」も開始、あわせて iOS および Android アプリもリリースしました。

ママリが急成長している理由

当初はノンプロモーションであったもののユーザーのニーズを的確に捉え、「ママリ」や「ママリQ」はクチコミでユーザー数が増加していき、今(2016年)では月間利用者数400万人のサービスとなり、妊娠・出産・子育て期の女性の3人に1人が利用するまでに成長しました。
サービスの将来性も評価され、2015年3月には B Dash Ventures とプライマルキャピタルから合計約1.5億円の資金調達を実施しました。

急成長の理由は3つほどあると思っています。一つは市場選択。二つ目はコネヒトのスタイルに、メディア、Q&Aアプリというサービスの種別が合っていたということ。でもたぶん一番大きいのは、本当にユーザーに必要なものを突き詰めて考え抜いたっていうところかなと思っています。ユーザーへのインタビューや、ユーザビリティテストも含め、ユーザーの顕在的・潜在的なニーズを把握し、サービスに活かすことは徹底的に取り組んでいます。

なぜママリをやるのか

会社の価値とは、その会社が「存在した世界」と「存在しなかった世界」の ”差分” だと考えています。 私達のビジネスは突き詰めていくことで、長期的に「日本の出生率」を上げることができるビジネスです。少子化と人口の減少という大きな課題に対して、私達の会社があることで “差分” を生み出したい。そのためにITの力を最大限に活用して、真正面から良いことがしたいと考えています。

しかしながら、かっこいい意義を掲げても、それが持続可能でなければ意味がありません。
私達は、ライフイベントに寄り添った弊社のサービスが「スマートフォンにおける次の大きなビジネスになる」という可能性を、サービスの成長を通じて強く感じています。ゲーム、マンガ、出会い系に続く大きなビジネスとして、スマートフォンにおける意思決定の領域にしっかり向き合いたい。そんな思いから現在の「ママリ事業」に注力しています。

今後チャレンジしていきたいこと

「ママリ」も「ママリQ」もパッと見で受ける印象としては、テクノロジーが介在する余地がなく見えるかもしれません。でも、裏ではかなり高度な技術が駆使されています。このビジネスで重要なのは、ユーザーの属性を詳細に把握し、それに応じた適切なコンテンツに導き出会ってもらうこと。そのために、ユーザーが今どこに住んでいるのか、家族構成、子どもが何人いるのか、男の子か女の子か、いつ生まれたのか…ということがデータで把握できていることが大事です。投稿内容もすべて解析して、ユーザー像をより明確にしていく。今後はユーザーに対して適切な商材とのマッチングといったことも実施していきたいと考えています。これにより、一人ひとりのユーザーが出会うべきコンテンツが変わっていくというところまで実現しなくてはいけないと思っています。

今はまだまだ「これから創っていく」という部分が大きいフェーズなので、サービスを創りたいという人にはぴったりだと思います。妊娠や出産って、初めての方であればとても不安な瞬間です。と同時に、たくさんの方が自分の人生や家庭での消費について考える契機になるライフイベントでもあります。そうした大きな購買・消費の需要が顕在化する段階において、スマホにおける新しい購買体験をつくるという大前提のもとどういった仮説検証をしていくのか、「ユーザーにとって本当にいいプロダクトは何か」、それらを考え試行錯誤しながらサービスを創っていく。これらにピンときた方とはぜひお話ししてみたいです。

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